風景の中に色彩があり、色彩の中に風景がある。
ある風景を観る、そこにある色彩と出会う。
ある色彩に心惹かれる、そこにある風景を思い浮かべる。
この関係に置換構造を絡める。

　40年前、置換構造を木材に施し、内部と表面の関係を見詰めた作品は、展覧会には出品せず、土の山や炎のドローイングなどの現場でのインスタレーションに移行した。
　1999年から、このトキアートスペースで開催している作品群は、インスタレーションに移行するまでの『内部内と表面の関係』であり、『表面は内部構造により決定される』であり、『内部構造と外部構造』であり、『表面は内部構造を表出する』という、どちらかというと言葉ありきで生まれ、試行制作通過した作品を数十年掛けて反芻するように異なる要素も加え制作してきた作品である。
　今回2021年の作品は、『拡散と凝集』(ある大きさの木材を切断して間にブルーの樹脂をはさみ接合する作品)を制作。同時期制作した『置換構造』に色彩を絡めた作品である。
　昨々年の冬から今夏までに、マケットと本作合わせて50点ほどの作品になる。
　DMの作品は、『ドラクロワの風景画より』画家ドラクロワがモロッコを旅行した際描かれた風景画。その絵から選んだ10色の色に順番を施し構成接合した。

2021年8月26日 土屋穣