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トキ・アートスペース |
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市川 衛 展 Mamoru Ichikawa
昨今はすっかりデジタルの携帯電話が世の中の主流になったが、デジタル化が進む前の古いダイヤル式の電話機や、プッシュキーしか装備していない シンプルな初期のプッシュフォンなどの電話機は、今ではすっかりレトロでアンティーク感が漂う存在になってしまった。 かつではダイヤルを回すという操作は何の疑問も持たない電話のインターフェイスのスタンダードであったが、現在では不思議な感覚があり 、指でダイヤルを回す感触や回り終わるまでの待ち時間などが、ぬくもりや奇妙な時間感覚を呼び起こす。 また、ダイヤルに必要なボタン以外にいっさいの余分なキーがない初期のプッシュホンのデザインは、デジタル化や高機能化が進んだ現在のデジタル電話とは 異なるシンプルな美しさが際だっている。こうしたオールメディアの電話機からイマジネーションを得て制作したのが今回のインタラクティブアート作品である。 これらの作品に実際使用した電話機はすべて、インターネットオークションとして一台ずつ落札した物である。これらにマイコンや電子装置を組み込む改造を施し、 それぞれのテーマに沿って、インタラクティブ・インスタレーションとして構成・展開した。 「Message from Adam」は、2005年11月に大阪芸大で開催されたSAGA8シンポジウムに連動して開催された『アーツ・アンド・エイプス展ー大型類人猿から芸術を考える』 の参加作品で、15年あまりだと言われるヒトの歴史の遺伝情報の連鎖をテーマとした作品である。左右に配置した15年前の人類と現代人の等身大のパネルの間に、ダイヤル式電話機を16台並べ、電話一台の感覚を1万年と見立てることで左から右に15万年の人類の生物学的時間を表現した。鑑賞者は電話のダイヤルを回すことで作品とインタラクションができ、回したダイヤルの数だけ右の電話に情報を伝達させることができる。 「LOVERS」では、カラフルなプッシュホンを2台ずつ組み合わせて、男女や同姓のカップルを擬人化した。プッシュキーを押すことでカップルが戯れ始める。 「COMMANDER」は、多数のダイヤル式黒電話を兵士に見立てて並べた。指令官役の電話のダイヤルを回すと、兵士たちは命令に従い整然と行動する。 |
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トキ・アートスペース A.M.12:00-P.M.19:00 (SUNDAY -P.M.17:00) 月曜休廊 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-42-5 サイオンビル1Ｆ TEL/FAX 03-3479-0332 > map & Download |